社会保険労務士の勉強 -毎日年金 vol.11-

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厚生年金6
老齢厚生年金の支給繰上げと支給繰下げの問題で、出題があるけれどもはや当たり前すぎてこれを落としたらまずいよねというものがあります。
支給繰上のときの減額率と支給繰り下げのときの増加率ですよね。
定番過ぎて、引っかけようがないけれど、慌てると計算間違いをして◎なのに×と解答してしまうこともあるので、気を付けたいものです。
定番中の定番は、さておき、そのほかの論点も押えておくと、この手の問題が出題されたときに、慌てずに対応が出来ることは、痛感しております。
と言うことで、今日は支給繰上げと支給繰下げについて、参ります。
支給繰下げ
支給の繰り下げと繰上については、国民年金と同じですが、老齢厚生年金の支給繰下げの受給上限年齢が改正により、70歳から75歳まで引き上げられました。
≪要件≫
① 老齢厚生年金の受給権を有するものである
② 老齢厚生年金の受給権を取得した日から起算して、1年を経過した日前に、当該老齢厚生年金を請求していない
①及び②両方に該当する場合に、実施機関に対して老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることが出来ます。
支給の開始は、申出のあった月の翌月から開始します。
原則の金額 + 繰下げ加算額 が、生涯支給されます。
≪繰下げ加算額≫
報酬比例の額(報酬比例 × 支給率 + 経過的加算額) × 増額率
≪増額率≫
7/1000 × 受給権取得日の属する月~支給繰下げ申出日の属する月の前月までの月数
※ MAX 120ヶ月(65歳~75歳までの10年×12ヶ月)
≪繰下げ不可要件≫
① 老齢厚生年金の受給権を取得したときに、他の年金たる給付の受給権者である
② 老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日までの間において、他の年金たる給付の受給権者となった
※ 他の年金たる給付には、老齢基礎年金、付加年金、障害基礎年金は除外されます
≪支給繰下げみなし≫
① 受給権を取得した日から起算して、10年を経過した日前に、他の年金たる給付の受給権者となった場合
※ 他の年金たる給付の受給権者となった者が、老齢厚生年金の支給繰下げの申出をしたとき、他の年金たる給付を支給すべき事由が生じた日に、申出みなしが行われます。
② 10年を経過した日後に、支給繰下げの申出をした場合
※ 受給権を取得した日から起算して10年を超えた場合は、10年を経過した日に支給繰下げの申出みなしが行われます。
支給繰上げ
繰上支給の老齢厚生年金については、生年月日にて、特別支給の老齢厚生年金が支給されない人が対象となります。
≪要件≫
① 民間の男子と共済男子・女子対象で昭和36年4月2日以後生まれの者
② 民間女子で、昭和41年4月2日以後に生まれた者
①又は②に該当する者が、更に下記の要件を満たす場合に、65歳に達する前に、実施機関に対して支給繰上げの申出をすることが出来ます。
ア)1ヶ月以上被保険者期間を有していること
イ)60歳以上65歳未満の者であること
ウ)国民年金の任意加入被保険者でないこと
エ)請求があった日の前日に、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていること
(当然に10年の納付済期間はクリアしていること)
支給の開始は、請求があった日の属する月から権利が発生し、支給自体はその請求があった日の属する月の翌月からとなります。
≪繰上支給の際の減額率≫
報酬比例の額(報酬比例 × 支給率 + 経過的加算額) × 減額率
≪減額率≫
4/1000 × 請求日の属する月~65歳に達する日の属する月の前月までの月数
≪支給繰上請求が出来る場合≫
老齢厚生年金の繰上請求は、老齢基礎年金の繰上請求をする場合には、その請求と同時に行うべきものであります。
※ 繰り下げ支給の場合には、この要件はありません。
≪加給年金額の取扱い≫
加給年金額については、生計維持の認定をする時期は、65歳に達した日となります。
支給繰上げをして、65歳前に老齢厚生年金の受給権を取得しても、加給年金額は、実際の年齢において加算対象となるため、65歳に達していない場合は、保留となります。
※ 加給年金額の繰上は、なしです。
経過的加算額の取扱い
経過的加算額は、増額率においても減額率においてもその計算の基礎となっていますので、経過的加算も本体の同様の率で、増額したり減額されたりします。
老齢基礎年金との関連
繰下げ支給の老齢厚生年金 → 老齢基礎年金と老齢厚生年金の申出は、同じタイミングでなくてもOK
繰上げ支給の老齢厚生年金 → 老齢基礎年金と老齢厚生年金の申出は同時に行わないとNG
まとめ
繰下げ支給の老齢厚生年金は、その支給開始年齢の上限が70歳から75歳まで引き上げられました。ただし、対象となるのは、令和4年3月31日時点で、70歳未満の者(生年月日が昭和27年4月2日以降生まれ)か、老齢年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過していない者(受給権発生日が平成29年4月1日以降の者)のいずれかとなります。これは、国民年金も同じです。
繰上げ支給の老齢厚生年金は、その減額率の改定がなされたことと、法改正がそこかしこにあるので、初学でない場合、以前の知識に引っ張られてしまうので、頭の中の知識においてもアップデート、書き換えを行わなければなりませんね。


人生100年時代に折り返し地点に立った50代。あと50年を明るく楽しくPPK(ピンピンコロリ)と生きるために、いつまでも自分の二本の足で動ける元気な身体といつも笑顔あふれる美しさと好奇心に満ちた柔軟な心を作るため日夜努力を惜しまない50女の日常。